説明ミスは認められた。
謝罪もあった。
でも、無償での是正はありませんでした。
前回の記事では、窓ガラスの遮音性能について、一条工務店から受けていた説明が実際と違っていたことを書きました。
建築前には、
「ペアガラスとトリプルガラスで、遮音性能に差はほとんどない」
という説明を受けていました。
ところが実際には、ペアガラスとトリプルガラスの間には、遮音等級が変わるレベルの差がありました。
今回は、その説明ミスに対して一条工務店がどう対応したのか。
時系列で整理していきます。
1. 違和感の始まりと、ショールームでの確認
入居後、すぐに違和感がありました。
展示場は、やっぱり静かだった。
あのときは「一条の家って、こんなに静かなんだ」と思っていました。
でも、実際に完成した我が家では、外の音の聞こえ方が明らかに違いました。
「あれ……やっぱり何か違うのでは?」
そう思い、確認のためにYKK APのショールームへ行きました。
もちろん、YKK APの窓と一条工務店の窓は別物です。
資料をそのまま一条の窓に当てはめることはできません。
それでも、ペアガラスとトリプルガラスで遮音性能に差があるのかを確認する材料にはなると考えました。
結果として、グラフでも体感でも、両者には明確な差がありました。
少なくとも、私が受けていた「差はほとんどない」という説明とは、かなり違う印象でした。
この時点で、疑問はかなり強くなりました。
2. 一条工務店への要望と、本社の見解
一条工務店には、当初の要望として次の2点を伝えました。
- 内窓の設置
- トリプルガラスへの交換
※引き違い窓部分は交換可能と事前確認済み
これは、単に「もっと良い窓にしてほしい」という話ではありません。
こちらとしては、間違った説明を受けて判断していた以上、
「説明されていた遮音性能に近づけてほしい」
という意味での是正を求めていました。
その後、展示場での確認から約1週間後に、本社の見解が届きました。
内容は、
「ペアガラスとトリプルガラスでは、約5dBの差がある」
というもの。
つまり、建築前に受けていた説明は誤りだったことが認められました。
あわせて「深くお詫びします」という謝罪もあり、対応を検討する流れになりました。
ここまでは、まだ話が進むのかなと思っていました。
ここまでは。
3. 提示された対応案と、追加負担
後日、一条工務店から対応案が示されました。
内容は、
「当初に遡って、全窓をトリプルサッシに変更する」
というものです。
また、効果は不明としつつ、ハニカムシェードの全窓設置も検討する、という話もありました。
ただし、無償ではありません。
工事費用は一条工務店が負担するものの、
建築当時にトリプルガラスを選んでいた場合の差額分は、施主側が負担するという内容でした。
提示された総費用は約95万円。
そのうちサッシ費用が約65万円。
そこから調整され、こちらの最終負担額は約45万円と説明されました。
要するに、
「説明は間違っていました」
「トリプルガラスにはできます」
「ただし、追加で約45万円払ってください」
という提案です。
うーん。
なかなかの着地です。
4. 求めていたのは「仕様アップ」ではなく「是正」
この提案には納得できませんでした。
こちらが求めていたのは、トリプルガラスという上位仕様そのものではありません。
問題にしていたのは、
「説明されていた遮音性能」と「実際の遮音性能」に差があったことです。
つまり、求めていたのは仕様アップではなく、説明との差を埋める是正でした。
こちらとしては、次のように考えていました。
- 当初説明していた遮音性能の商品を納入すべきではないか
- ペアガラスで十分と説明された以上、それ相応の性能を満たすべきではないか
- 誤った説明を前提に金額へ合意しているのに、後から追加費用を求めるのはおかしいのではないか
トリプルガラスにこだわっていたわけではありません。
断熱性能を上げたかったわけでもありません。
「説明どおりの遮音性能になるなら、旧仕様の異厚ペアガラスでも構わない」
とも伝えました。
しかし、返ってきた答えは、
「現在は生産・供給していないため、対応できるのはトリプルガラスへの変更のみ」
「その場合は費用負担が必要」
というものでした。
5. 平行線をたどる交渉と、一条工務店のスタンス
ここから、話し合いは平行線になりました。
最大の論点は、
「説明ミスを認めているなら、その説明を信じて判断した施主に、どこまで対応すべきなのか」
という点です。
営業さんの提案で、全窓ではなく、音の影響が大きい一部の窓だけでも無償交換できないか、という落とし所も探りました。
並行して、弁護士にも相談しました。
得た見解としては、次のようなものでした。
- 引き渡し後でも、状況によっては追完、つまり是正を求める余地がある
- 仕様選定時に遮音性を重視していた経緯があれば、契約上の判断要素として扱われる可能性がある
この内容も踏まえて、改めて一条工務店に確認を依頼しました。
しかし、見解は変わりませんでした。
- 無償でのトリプルガラス交換は不可
- 一部の窓だけの無償交換も不可
- 裁判所などで支払いを命じられれば対応する
無償対応ができない理由として説明されたのは、
「他のお客様にも同様の対応をしていないため」
というものでした。
会社としてのルールはあるのだと思います。
ただ、それは一条工務店側の事情です。
我が家に対して誤った説明があったこととは、別の話ではないでしょうか。
正直、
「そこまでしないと対応してもらえないのか」
という不信感は強く残りました。
6. 家族の体調悪化と、最終的な決断
話し合いが平行線のままでも、生活は続きます。
音に敏感な家族は寝不足になり、体重も落ち、明らかに体調を崩していきました。
話し合っても結論は変わらない。
でも、体調だけは悪くなっていく。
これはもう、放置できませんでした。
最終的に、我が家は自費で内窓を設置することにしました。
費用は約100万円です。
ここで、こう思う方もいるかもしれません。
「内窓に100万円かけるなら、トリプルガラスの差額45万円を払えばよかったのでは?」
金額だけ見れば、その通りです。
でも、この時点で話し合いはすでに大きくこじれていました。
説明が間違っていたことは認められている。
その説明を信じて、こちらは判断した。
それなのに、是正するには追加費用を払ってくださいと言われる。
そこで差額を払うことは、どうしてもできませんでした。
45万円と100万円の比較ではありません。
「説明ミスによって生じた負担を、誰が持つのか」
その点で、どうしても納得できなかったのです。
※追記
「内窓に100万円かけるなら、45万円を払ってトリプルガラスにすればよかったのでは」という意見もありました。
金額だけを見ると、たしかにそう見えると思います。
ただ、当時は音のストレスで家族の体調にも影響が出ており、生活が成り立たなくなっていました。
一条工務店から提案されたトリプルガラスへの変更は、窓をフィリピンで製作する関係で、納期に半年程度かかるという説明でした。
そのため、仮に45万円を支払っていたとしても、すぐに音の問題が解決するわけではありませんでした。
当時の我が家には、半年待つ余裕がありませんでした。
そのため、費用としては大きな負担でしたが、比較的早く施工できる内窓を自費で入れる判断をしました。
これは、45万円と100万円を単純に比較して選んだというより、今すぐ生活を守るために、選べる手段が限られていたという話です。
最後に
自費で設置した内窓によって、音の問題は改善しました。
ただ、それは一条工務店の補償によるものではありません。
説明ミスは認められた。
謝罪もあった。
でも、無償での是正はなかった。
最終的に、我が家は約100万円を負担して対策することになりました。
……え。
これ、施主側が背負う話なんですかね。
※追記
繰り返しになりますが、私が求めていたのは、トリプルガラスへの変更そのものではありませんでした。
建築前に説明されていた遮音性能に、少しでも近づける方法を探したかったというのが正直なところです。
こちらとしては、契約時に説明された異厚ガラスへの変更や内窓の設置費用の一部負担など、ほかの方法も含めて相談したつもりでした。
しかし、結果として一条工務店から提示された対応は、トリプルガラスへの変更のみでした。
これはあくまで今回の件を通して感じたことですが、一条工務店は窓を自社グループで製作していることもあり、対応方法も自社仕様の範囲に限られやすいのかもしれません。
一般的な工務店や、複数メーカーの建材を組み合わせる形であれば、別のガラスや内窓など、もう少し違う落としどころを探せた可能性もあったのではないか。
今振り返ると、そう感じる部分もあります。
もちろん、一条工務店側にも品質管理や保証上の事情があったのだと思います。
ただ、こちらとしては、説明されていた遮音性能に近づけるために、もう少し幅のある対応を一緒に考えられたらよかった、という思いが残りました。
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